先日この内容についてFacebookで質問を受けたという事もありますが、少し頭の中を整理しておきたかったので、今シーズン学んだ内容のまとめとして、ペダリングの左右差について、つらつらと書いていきたいと思います。
ペダリングの左右差についての考察ですが、左右両側計測パワーメーター(ほぼペダリングモニター一択?)の普及により、「左右のバランス差がこんなにあるのか!」と驚かれているのを、いろんな方のブログで見かけます。
ここで注意して頂きたいのが、ペダリングモニター(やローターツインパワー)で表示されている左右差というのは、【左右のパワーバランス】であって、ペダリング効率や平均トルク、スムーズネスは考慮されていないということです。
単純に、左右にかかったパワー差の比率が表示されているだけなのだということを、まずは頭においておいて下さい。
では、なぜペダリングの左右差をなくす必要があるのか?ということになりますが、
それは、ペダルにかかる荷重パワーを均等にし、踏み込みタイミングを揃えた方が、安定して左右クランクに体重を交互に乗せる続けることができますし、左右タイミングを合わせることにより、クランクをよりスムーズにムダなく回すことができる、と考えているからです。
モーターバイクのエンジンで例えますと、パラレルツイン(並列2気筒)のエンジンがあり、エンジンの燃焼が筋肉の力、ピストンとコンロッドが脚、クランクシャフトが自転車のクランクだと考えたとします。
図は書けないので、下のヤマハ発動機さんのイラストで想像して下さい(^_^;
キャブレター式4気筒のモーターバイクをお持ちだった方(たぶんアラフォー以上)でしたらご存じだと思いますが、モーターバイクはキャブが1気筒につき1個ついていて、この1つ1つを調整して、燃調と同調を取る調整を定期的にされていたと思います。
たとえば、上の図の片方のピストンのみ燃焼が弱ければ、クランクシャフトで繋がっている隣のピストンの上昇速度が遅くなります。
これが左右の燃調(パワーバランス)
そして、両方のピストンで混合気(ガソリン+空気)の入るタイミングがうまく取れていないと、左右ピストンがお互いシンクロせずに邪魔をしあって抵抗となり、クランク回転速度は落ち、クランクシャフトに出力されるパワーは激減してしまいます。
実際に同調のズレがひどいと、エンジンがバラついて登坂などで登らなくなります。
こちらが左右の同調(踏み込みタイミング)
左右の燃調(パワーバランス)が多少狂っていても、それほどの影響は体感できませんが、同調(踏み込みタイミング)が大きくずれていると、エンジンの大きなばらつきや振動に繋がり、クランク軸(自転車のクランク)に出力されるパワーも落ちてしまいます。
※わけわからんという方は、燃調 同調でググってみて下さい
例えたテクノロジーが専門的で古すぎて、ついてこれなかった方が多いかもしれませんが(^_^;
要は、私が目的としている左右差の是正というのは、パワーバランスの均等化ではなく、それに至る過程での体の使い方の左右差を無くしたい、と考えて練習していたわけです。
修正方法としては、ポジション調整の割合は低く、体の使い方と意識の修正になります。
パワーバランスを見ながら練習していたのは、体の使い方と意識を変えることで、パワーバランスがどのように変化するかを見て、修正するきっかけとしていたわけです。
ですので、左右パワーバランスは、あくまで参考値として見ているだけです。
「でも、ペダリングモニターやローターツインパワーなら、ペダリンググラフで踏み込んだタイミングやベクトルもわかるでしょ?」
と思われた方も多いかと思いますが、ペダリングモニターに表示されるペダリンググラフというのは、ペダルパワー(ワット)と同じで、最終的にクランクに出力された結果でしかないのです。
ペダリングの過程で、どの筋肉を動員して、どれぐらいの速度で、どのような踏み方で、体のどの部分の重さを使って、その力と荷重タイミングがクランクに到達したのかという事は、ペダリンググラフからは見えてこないわけです。
そして、体の使い方を意識できて、ペダリングが同調すると、COSMOSの岡さんがアップロードされている以下の動画のようになると、考えています。
リンクを張りましたが、決してCOSMOSさんのステマではありませんし、お金も貰ってません(^_^;
今までの内容を踏まえた上で、実際のペダリングを見て頂けると、わかりやすいかと思います。
2:18以降のダンシングフォームの修正は、特に理解しやすいかと思います。
というわけで、機械系エンジニアの方にはわかりやすく(細かいところは突っ込まんといて下さい(笑))、一般の方にはけっこうわかりにくく説明してみました( ´ ▽ ` )ノ
今回のキャンペーンで、パイオニアペダリングモニターを購入された方がたいへん多いと聞いていますが、結果として出力された数値やグラフに惑わされることなく、どのような過程を経て、最終的な左右差とパワーが生み出されたのか、という事を意識して練習されてみると、よりペダリングモニターに投資しただけの価値を得られると思います。