のりりん鹿児島

基本的に自転車トレーニングと覚え書きです(^-^;

キャノンデール 2015 Synapse Hi-Mod DISC ファーストインプレッション

f:id:k_ushiyama:20160128164729j:plain

というわけで買ってしまいました。2015 Synapse Hi-Mod DISC。

おおよそ1000kmは乗ったので、そろそろ最初の所感をつらつらと赴くままに書いておきたいと思います。


■購入動機

死神のフレーム、LOOK795LIGHTにいたぶられながら200kmのライドをするのに、耐えられなくなりました(´;ω;`)

というのは冗談でもないですが、シナプスは以前から乗ってみたかったフレームでしたし、次のレース用フレームは間違いなくディスクブレーキ時代になっているだろうので、今のうちにロード用油圧ディスクブレーキを実際に使ってみたかった、という興味のほうが大きいです。

そして、795がトラブったときのスペア用バイクとしても使用できる、という考えもありました。

 

■選定基準

エンデュランスロードで、105以上アルテグラ未満の機械式シフト、油圧ディスクブレーキ、コンパクトクランクというスペック基準で選びました。

機械式シフト → Di2のバッテリーを気にせずに長距離サイクリングできる、Di2の常に一定なシフトフィーリングに飽きてきた

油圧ディスク → 長距離走行時のブレーキ負担を軽減、油圧ディスクブレーキの良い点悪い点を洗い出し、使い勝手を検証したい

コンパクトクランク → 今までコンパクトに乗ったことがないので興味あり、そしてサイクリングなら50/34で充分では。リアはGSケージで11-32Tと、激坂も楽に登れそう

という考え方をもとに、ドマーネ、ルーベ、シナプスの3択で迷ったのですが、特殊な構造や樹脂を使うこと無く、フレーム形状の工夫で振動吸収性を追求しているという点で、シナプスにしました。
また、ファブリックのスクープシャローサドルや、スポーク数が多いカーボンクリンチャーホイール(C-ZEROと書いてあるけど、フォーミュラー製?)が、完成車として付属していて、全体的にパーツチョイスが堅実で、お得感があります。

また、キャノンデールのHi-MODフレームにも興味があり、それらも選定理由の追加項目として魅力的でした。
そしてディスクブレーキだと、ホイール交換もほとんどできない(モノがない)ので、機材に追加投資することを避けることができる、という点も自制という点で見逃せませんでした(^◇^;)

 

■実際ちょこっと乗ってみてどう?

・乗り心地や全体的なフィーリング

最初はフレーム全体がポヨンポヨンと震えるように振動吸収していく感じが新鮮で、同じカーボンロードでも、こんなに違いが出るのかと驚きでした。

全体的に乗り心地はソフトですが、これは28Cタイヤの影響が大きいかと。

といっても決して柔らかいわけではなく、安定したペダリングを行うことで、フレーム全体がペダルの入力をいい感じに均(なら)して、適度な推進力に変換するという感じで、高い快適性を持ちながら、しっかりとした走りが感じられます。

また、あのロードバイクを最初に一漕ぎした瞬間のスァーッとした心地よい感触は、795よりもずっと強く感じます。

休憩した後の、漕ぎだし1回目にこれが来るので、気持ちいいのですよね〜(*´〜`*)

 

・平地巡航
速度は30km/h前半までは綺麗に伸びていきますが、一定速度の巡航はあまり得意ではないような気がします。

速度が保ちにくい…というわけではなく、単純に一定巡航している時にあまり心地よく感じない、というフィーリング面でのことです。

この辺りはまた今後検証していくということで。

 

・平地高速巡航(もしくは下り)
平地高速巡航はほとんどしていないのですが、速度をそれなりに高く保った状態でも安定感が高く、速度維持が楽な印象です。

アスファルトが荒れた路面でも、太いタイヤとフレームが吸収してしまうので、シッティングのまま快適に走ることができます。

また、急な下り坂などで40km/hを超えるような状況で、橋などの継ぎ目で大きめの段差があったりしても、フレームがヨレたりすることはなく、怖さを感じることなく安心して下ることができました。

 

・登り

シクロワイアードのインプレにもありますが、ダンシングでガシガシと登っていくタイプではなく、シッティングでうまくフレーム反発との同期をとり、リズム良くペダリングすると、低ケイデンスでもグイグイと登っていきます。

ダンシングではあまり力が伝わっている感がなく、シャキシャキと進む!といったフィーリングとはほど遠い、もっさりとした感じです。

リアの11-32Tは、サイクリングとたいへん相性が良く、フロントのコンパクトクランクとの繋がりも自然で、全体的にギア選択に穴がなく、多くのシチュエーションで、オールラウンドにスピードコントロールがしやすいと感じました。

また、15%の激坂もインナーローのシッティングで楽に登って行けるので、これも驚きでした。
F34T-R32Tでは、MTBのように進まないんだろうなーと思っていたのですが、思ったよりも速度が乗っていくので、道を選ばない長距離サイクリングには強い味方となります。

・ロードバイク用の油圧ディスクブレーキってどう?

峠を登った後の下りでは、油圧ブレーキはかなり効果があります。

キャリパーブレーキの場合、下ハンドルを持ちながら、レバー先端を握りつつ手と腰の痛みを我慢することが多いですが、油圧ブレーキですと、ブラケットを持ったままブレーキの上をちょいちょいと握るだけで、BR-9000の下ハンブレーキ並の制動力が得られます。

ブラケットを握ったアップライトポジションのまま、指2本のブレーキコントロールのみで、峠の長い下りを楽にクリアできます。

 

また、油圧ブレーキだから急激にガツンと効くんじゃないの?と思われている方もいらっしゃるかと思いますが、そんなことは全くなく、普通のキャリパーブレーキと同じような握り心地で、ブレーキフィーリングの立ち上がりは、あくまで自然です。

集団走行での当て効きコントロールもやりやすいですし、先入観がなければ、どちらのブレーキか気づかない方もいるのでは…?と思うほどです。

思っていた以上に、ロード用油圧ブレーキは完成されていると感じました。

 

その他、雨天時のブレーキの効きは、制動力が状況によって変化することなく、安定したブレーキコントロールが可能です。

また、キャリパーブレーキのようにガリガリとリムが削られていく感触がなく、ブレーキダストの汚れも、キャリパーまわりの最小限で済むため、雨天時は間違いなくディスクに軍配が上がると思います。


悪い点としては、ブレーキ泣きがそれなりに起こることでしょうか。

再現性は今ひとつはっきりしないのですが、ママチャリのコースターブレーキのような、けっこう大きいブレーキ泣きの音が出ます。

あとは機械式では起こらなかったのですが、時々パッドの戻りが悪かった時などに、シャッシャッシャッ…と、ローターがパッドをかすめるような音がずっと続くことがあります。

これは個体の現象かと思っていたのですが、他メーカーのカーボン油圧ディスクロードの方も、同様の音がすることを一緒に走って確認しましたので、ディスク特有のブレーキ音になるのかもしれません。

現在のフラットマウントや、スルーアクスル(シナプスはクイック式)のバイクでは起こるのかどうか、ちょっと気になります。

また、お店の方の話では、ブレーキフルード漏れの症状も、まれに起こっているとのことです。


今後、おそらくハイエンドフレームから導入されていくと思いますが、レース指向のバイクよりも、むしろ初心者や女性向けの、完成車バイクに標準装備したほうが良いのでは?と強く思います。


・アンカーCX6についてる機械式ディスクブレーキと比較してどう?

これだけは断言します。油圧一択です(。≧ω≦)ノ

機械式も、コスト的に安く上がる(STIレバーがそのまま使える)、ワイヤーの取り回しがしやすい、油圧系統のメンテナンスが不要、などのメリットはあるかもしれませんが、軽い力で大きい制動力を得ることができるという点で、ディスクブレーキにするならば、油圧のほうが良いかと思います。

 

■長距離のってみて795と比較してどうだった?

お正月に奄美大島を1周240km/1dayで走ってみましたが、脚がつったり使える筋肉が終わったりする事態は、かなり抑えられます…というか発生しませんでした。
こういう点は、さすがエンデュランスロードは(一見)体に優しいなと思います。

ただ、今の私の体では、200kmオーバーになると、最終的な疲労度はあまり変わらないかなと(^_^;)

そういう点では、GDRのメテオスピードはレーシングフレームを謳っていながら、振動吸収性もよく、巡航も気持ちよく、長距離ライドでも脚も残るという点で、とても優れていたなーと、今も思います。

GDRのフレーム事業撤退、なかなかに難しいものですね。

また、脚が終わった終盤になっても、無意識下でハイスピードが維持できる鬼嫁のLOOK795も、それはそれで捨てがたい性能があると思います(^_^;)

■不満点とか

FSA SL-Kのシートポストは、サドルの角度調整がしにくく、あまり好みではありません。

しかし、交換しようにもシートポスト径が特殊なので、丸ポストなのに市販品が使用できないのです。

この辺りはキャノンデールから、フィジークOEMと思われるシートポストが出ているので、交換してみたいと考えています。

あと、リヤディレーラーはアルテグラなのですが、フロントクランクがFSAで変速性能が今ひとつ(不満はないレベルですが…)なので、できれば後々フロントをアルテグラに交換したいところですが、BB交換も必要になるので、これは優先順位的には最後かなと。

 

そして、何と言っても塗装がとても弱いです(´;ω;`)

丁寧に扱っていても、いつのまにか塗装が欠けてたり、水洗いしてシャンプーしても、クリア部分があっという間に傷だらけになってしまいます。

キャノンデールなのですが、こんなに塗装が弱いとは…ビックリでした。

そしてお約束のBB30Aですが、奄美を走っている時にダンシングで右側が鳴り始めましたが、このへんは覚悟していたので…(^_^;)

 

■総評

エンデュランスロードとして、日帰りファストライド、中長距離ロングライドに使用するには、不満のないスペックと性能で、満足度は高いです。

ただ、走りのキャラクター性に乏しいので、走っていて愛着が湧くか…というのは難しいかなと(その点ではGDRも一緒)

現在は体も肥満状態ですし、ファーストインプレはこれぐらいにして、また走れる体になってから再インプレしてみたいです。

↓シクロワイアードさんのインプレはこちら( ´ ▽ ` )ノ

キャノンデール シナプスHi-MOD DISC ディスクブレーキが拡げるエンデュランスロードの可能性 | cyclowired