のりりん鹿児島

基本的に自転車トレーニングと覚え書きです(^-^;

パイオニアペダリングモニターを購入しました【3.どうすればペダリング効率が上がるのか?】

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先日取付したパイオニアペダリングモニターですが、実際に使ってみると、今まで知り得なかったデータがたくさん取得でき、シクロスフィアで解析するのがとても面白く、ついつい夜更かししてしまいます(^-^;

本当はクランクの校正から先に書こうかと思っていたのですが、最初の所感を大事にしたいので、【どうやればペダリング効率が上がるのか?】という内容を、先に書きたいと思います。

 

ペダリングモニターはどのようにペダリングすれば効率が上がるのか?

実は全くその事を考えていなかったのですが、パイオニアペダリングモニターには操作説明マニュアルはあるものの、「こうやって回せば、あなたのペダリングが最適に近づき、パワーを無駄なく伝えることができますよ」というトレーニングマニュアルは存在していません。

ですので、ペダリングモニター解析本などが出ていない現時点では、自分のデータを蓄積して解析したり、メディアでほんのちょっとだけ紹介される、プロやインストラクターのペダリング画面を参照するしかないのが現状です。

 

私の実走サンプリングデータで、効率の違いを検証

先日のLSD練で、私がペダリングモニターを使用して実走したデータをもとに、ペダリング効率画面(正式名称はペダリンググラフ)の読み方も合わせて、説明していきます。

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こちらが、一般サイクリストのおおよそ標準値と言われている、50%台の時のペダリンググラフです。

ペダリングモニター講師の方のお話によると、ざっくりと一般40~50%、プロ60%、世界レベル70%がおおよその平均値なのだそうです。

このスクリーンショットでは、左(L)側は、3~4時の時にトルク最大、右(R)側は2~3時の時に最大トルクが出ている事が、わかると思います。

また、円の中心には各ペダルそれぞれに加わっているパワーも表示されており、上のパワー(LR)に表示されるのは、ペダルパワー左右の合計値となります。

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そしてこちらが、いちばんペダリング効率が悪かった時の状態です。

ではなぜ、これがもっとも効率の悪い状態なのか、という事を説明します。

赤線のベクトルを見ると、3時~6時まで大きく力がかかり続けていることがわかります。

このことから、踏み込みポイントが少し遅く、ペダルに力が伝わらない5~6時の位置になっても、ずっとペダルに力をかけ続けている状態である事がわかります。

また、青線のベクトルを見ますと、6時~10時の位置まで、ずっと下向きにトルクがかかり続けていることがわかります。

青線は、反対側のクランクが回ろうとする力を、妨げている力になります。

このことから、6時を過ぎても引き足を全く使っていないどころか、ペダルの上に足の体重をかけたまま、踏み込もうとする側の足の力を妨げている状態である事になります。

負荷がかなり軽い時のデータため、実走ではこうなりがちではありますが、説明しやすい例として上げてみました。

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そしてこちらが、効率70%時のデータで、7~10%のヒルクライム時のものになります。

この場合、2時から早めに踏み込みが始まっており、3時の時点でトルクが最大となっています。

そして、6時を過ぎてからの引き足のベクトルには青線は表示されておらず、上向きの赤線のベクトルが表示されています。

 

これらのデータから、単純にペダリングモニター数値上でのペダリング効率を上げるためには、

1.踏み込みを2時辺りから早めに

2.3時付近で最大トルクとなるように

3.引き足を意識的に使い、5~11時の間は青線が出ないようにする

というやり方が、現時点では数値上の効率を上げるための有効な手段ではないかと、推測します。

また、ベクトルの向きや、パワーの左右差も考慮されているのかもしれませんが、現時点ではデータが少なすぎるので、その辺りは今後検証していきます。

 

メディア等でプロやインストラクターのペダリングを参照する

今までテレビ番組で紹介された中では、情熱大陸の新城幸也選手の回と、NHKで11月29日に放映されたチャリダーが、目にとまった方が多いかと思います。

まず、情熱大陸の新城選手の回です。

http://www.mbs.jp/jounetsu/2013/11_10.shtml

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339Wのパワーを出力している時に、左右バランスがキッチリ揃って70%の効率が出ているのは、さすが世界トップレベルとしか言いようがありません(^-^;

やはり3時の時に最大トルクが出ており、右足を見ると、後ろに力を逃がすかのように、引き足の力がかかっている事がわかります。

ペダルを踏み込む時のペダリングフォース(ベクトル)の向きは、若干ではありますが、右下に向かっている事もわかります。

 

そしてこちらが、チャリダーの猪野学さんと、竹谷賢二さん(ドクター)のペダリンググラフ画面です。

http://www.nhk.or.jp/charida/

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この比較はとてもわかりやすいです。

猪野さんは、3時から踏み込みを初め、最大トルクが発生している場所は、クランクに全く力がかからない、6時の位置になっています。

また、7~11時には、後方に蹴り出すように、逆方向の力(青線のベクトル)を大きくかけ続けていることもわかります。

おそらく引き足を意識しているのかもしれませんが、それが逆にペダリングを妨げる方向に働いているわけです。

これらの事が、全てこのグラフで見えてしまうのが、このペダリングモニターの怖いところであり、凄いところでもあります(^_^;

竹谷賢二さんのデータを見ると、2〜4時はしっかり真下に最大トルクをかけ、5時の位置からは後ろに巻き込むような感じで、ペダリングを意識している事がわかります。

おそらく、山田さんがいつもおっしゃっている、下死点付近では足裏でぞうきんを引きずるようにペダリングする…というのは、このデータが参考になるのではないかと、推測します。

以前竹谷さんの本でも、ペダリングは足裏についている泥をこそぎ落とすように…という内容を書かれていた記憶がありますので、このペダリンググラフのデータは、竹谷さんの実践されているペダリングに近いものとして、参考になります。

 

以上、ペダリンググラフのデータの見方や、グラフから読み取れる内容などを、簡単に説明してきました。

私は素人なので間違っている部分も多々あると思いますが、参考程度に読んで頂ければと思います。

また、ペダリンググラフのデータは瞬間的なもので、常にリアルタイムに変化しますので、必ずしも新城選手や竹谷さんが、いつもこのグラフと同じペダリングをしているとは、考えないで下さいね(^-^;

 

最後に、ペダリングモニターの凄いところは、このグラフを固定された計測機械の上ではなく、自分のロードバイクで実走中にリアルタイムで見ることができる、というところに尽きると思います。

次回は、ペダリングモニタークランク側のセットアップ、もしくは、実走時にどのようにペダリンググラフが変化するのか、という点について、書いていきたいと思います(^▽^)/